2022年4月に施行された育児・介護休業法の改正。国は2025年までに現在約12.7%の男性の育休取得率を、30%まで引き上げたいとしています。
今後ますます男性育休を促進する動きが加速していきそうですが、ダーツライブでは以前より男性育休への取り組みを実施してきました。
そこで今回は、育休を取得して2022年3月に復帰した男性社員に体験談を語ってもらいました!
🎤話を聞いた社員
経営企画部/多久 輝さん
2021年8月に長女誕生。同年12月より育児休業に入り、2022年3月に職場復帰。直近ではプロモーション部から経営企画部に異動し、ダーツライブグループ全体の事業企画を担当している
▼社員インタビューにも登場中!
私が島根県出身で妻が香港出身ということもあり「里帰り出産」という選択肢はありませんでした。はじめは「2人でがんばろう!」と考えていたのですが育児は本当に想像以上に大変で、まるでブラック企業そのもの(笑)。
・1日20回近くのオムツ交換
・3時間に1回授乳(決して3時間寝られるわけではない)
・赤ちゃんが起きている間はほとんど抱っこ(抱っこしないと泣く)
・最初の1か月間は外出できない
…と、寝る時間を確保するのでさえ精一杯。
娘は目に入れてもいたくないほど本当にかわいいのですが、何をしてもギャン泣きが続くと、夫婦で「こちらだって泣きたい!」と思いました。次第にどうしても平日は妻の負担が大きくなっていき、疲弊していく様子が見て取れました。
そこで妻の両親にサポートしてもらえないだろうかと検討しましたが、時代はコロナ禍真っ只中。その当時、コロナ前と比較すると3倍近くの旅費がかかることが分かり、早々に断念しました。
※出国時のPCR検査費や香港帰国時のホテル隔離代(3週間分)等/2020年10月頃
次に、私の実家から母親にサポートに来てもらうのはどうかと考えました。ですがこちらも「コロナ禍」という事情から上京は難しいという結論に。
さらに通常なら開いていたであろう育児支援サポートや地域の子育てサロンなども活動が自粛・縮小され、閉鎖されている状態だったのです。
そこで「この状況が続くとなると妻はもちろん、夫婦としても精神衛生上よくない」と思い、育休取得の方向で調整してみようと考えるようになりました。
男女問わず、育休を取得できるということは知っていました。
ですが正直、自部門で人手が足りていないことも理解していたので、長期の休みを取得する申し訳なさの方が勝っていました。キャリアに傷がつかないだろうか、仕事をないがしろにしていると感じる方もいるのではないか、という不安もありましたね。
振り返ってみると小中高~大学と、浪人や留年の経験もなければ、社会人になってからも転職したこともない。そのため「停止」のアクションを起こすことが、いっそう勇気の要るものでした。
気持ちが固まらないまま、上司や同僚に相談してみました。すると、相手の第一声が『いいじゃん!』というポジティブなものだったのです。
相談するうちに不安は和らいでいきました。
「育休に入るのなら迷惑をかけないよう準備をしっかりしよう」、「経験者として会社に還元できることもあるかもしれない、マネジメントにも活かしていこう」と、育休取得を有意義なものにしたいと思うようになり、意思が固まりました。
育休中はとても充実した時間でした。
成長していく我が子を間近で見ることができましたし、同時に育児の大変さも身をもって知ることができました。
一方で仕事については、 漠然と考え込むことがありました。時間の経過とともに悩みが変化していった感じです。育休に入ってすぐは「あの案件、大丈夫だろうか」と頻繁に考え、その後少し経つと自分が不在でも何の問題もなく動いている様子を見て「自分の必要性って何だろう」と考えるようになりました。終盤になると「果たして自分は以前のように働けるのか」と、ややネガティブに考えてしまう節がありました。
そんなことを妻に話してみると、妻も同じようなことを感じていることが分かりました。
『育休中は子ども一色の生活になる。会社との隔たりを必要以上に感じてしまうから仕事に対してもネガティブ思考に陥りがちになるのでは?』と、夫婦でいろいろと話すことで悩ましさが軽減していく気がしました。
育休を取得しなければ実体験としては感じられなかったであろう妻の心情。それを共有・共感し合えるということは大切だと感じ、家事育児の以外においても男性が育休を取得することの意義を強く感じました。
💭奥様のコメント 家族の時間がしっかり取れたことで「夫婦」から「家族」となったことを実感しました。育児の大変さを共有することで精神的な負担が減りましたし、大変さだけではなく我が子の愛おしさを共感できたのもよかったです。育休によって仕事から離れたことが区切りとなって、夫が「父親」に変わった気がします☺ |
男性が育休を取得するとなると経済的な問題も生まれます。
妻側だけが育休を取得している状態とは違い、夫側も育休取得となると夫婦での収入が大きく減るためです。
育休中は社会保険料や所得税がかからないという利点はありますが、現在の育休手当はざっくり給料の67%(6カ月経過後は50%)。また、初回の育休手当は育休を取得してから約2か月後に振り込まれるので、男性も育休を取得に入る前に生活費の調整を済ませておくといいと思います。育休手当を国が給料の80%まで引き上げようという話が数年前から出ていますが、もし実現したら男性の育休取得もしやすくなりますよね。
社内においては、男性育休の経験者として相談を受けた際には、さまざまな観点からアドバイスできたらいいなと思いますし、応援していきたいと思います。