近年、企業においてはテレワークやDX化が急速に進みました。業務の「クラウド化」もその一つ。2020年頃からテレビCMでも目にするようになりましたが、実はダーツライブでは2018年に100%のクラウド化を実現。以来、全社員が当たり前のようにクラウド環境で業務を行ってきました。
なぜダーツライブでは、そんなにも早く完全なクラウド化を達成していたのでしょうか。その理由を探るべく、13年に渡り社内SEを務める情報システム課・小島さんに話を聞いてきました!
※本記事は2023年に公開したものを再掲載したものです
【話を聞いた社員】
コーポレート本部 情報システム課/小島さん
――まずは情報システム課の業務について教えてください。
社内のIT業務に多岐に関わっていて、海外拠点を含む全社的なITヘルプデスク、PC整備などのインフラ関連業務、社員のアカウントやライセンス管理、社内システムの保守・運用・導入などを行っています。
――小島さんは入社以来、情報システム課で働いていますが、やりがいはどこに感じますか。
世の中には、社内のネットワーク環境を整備する情報システム部を外注する企業もありますが、ダーツライブでは創業から一貫して社内に置き続けています。
その価値は、何と言っても社員や会社の状況を肌で感じて物事を判断できる点にあると思います。社員から直接お礼の言葉が聞けるのもありがたいですし、大きなモチベーションになります。
――意識していませんでしたがダーツライブの業務環境はクラウド化が済んでいるんですよね。
ダーツライブでは、2010年頃からメール環境をクラウドに移行しようというプロジェクトが動いていたんです。スマホが普及し始め、Twitter利用者が徐々に増え出したころで、世の中的にも早い時期でした。
セガサミーグループ内でも先端を走っていたこともあり、グループ他社から「話を聞かせてほしい」と声がかかるなど、モデルケースにもなりました。
――100%のクラウド環境は、どんな経緯で生まれたのでしょうか。
(2010年頃に)メールをクラウド移行したとき、業務環境が一変したことで社員から不満の声も聞かれ、一人ひとりに説明しながら対応を進めていったんです。すると次第に、クラウドの良さを社員から直接伝えてもらえることも増えていきました。
たとえばオフィスビルには停電日があり、メールシステム等含めすべて使えなくなる時間が必ずありましたし、社内ネットワークにアクセスできる環境がないとメールをチェックできないという状況があったんです。
「これからは365日24時間どこでも使えますよ」と話すと「すごいね」「これは助かるよ」と喜んでくれる社員がたくさんいました。実務に好影響があれば、社員にもクラウドの良さを実感してもらえることを実感して「メールシステム以外もクラウドに移行すれば、もっと快適で便利になるのでは」と思ったのが、100%クラウド環境の出発点です。
――図らずもコロナ渦でクラウド化や社内SEに注目が集まりましたよね。
対極にあると感じるかもしれませんが、ダーツライブの情報システム課は対面でのコミュニケーションを大切にしてきた文化があります。クラウド化をいち早く実現していけたのも、社内SEとして社員との交流がベースにあったから。
IT視点から押し付けるだけでなく、社員の意見を聞きながら実現に向けて段階を踏むことができましたし、理解を得られました。
在宅勤務は、どうしても社員とのコミュニケーションが希薄になってしまいがちです。私たちとしても、社員が何に困ってるのか目で見えないのは悩ましいところ。在宅勤務中でも困り事を相談しやすい工夫ができないか模索しています。
――昨今ではChatGPTなどITが目覚ましい展開をみせていますが、どう捉えていますか。
ChatGPTのような新技術が使いやすい形で出てきたことは、非常に良いことだと考えています。資料作成や会議調整といった業務の課題解決に役立つ技術になると期待しています。
社内でも積極的に使ってもらえるように、セキュリティ面の対応をこちらで用意し、みなさんに安心して使ってもらえる体制を整えていきたいと考えています。
――今後の展望について聞かせてください。
昨日までなかったものが今日出てくるかもしれない毎日ですが、社内SEとして上手に取り込みながら挑戦を続けていきたいです。業務環境のアップデートを重ねていくことで、社員が快適に仕事に打ち込めたりアイデアを実行しやすくなったりするはず。そうやって会社から魅力的なサービスが生まれることを支えていきたいと思います。
ITのプロフェッショナルでありながら、社員との会話を大切にしてきたという小島さん。どんなに技術が進化しようとも、コミュニケーションの上にこそ価値ある使い方が生まれるのだと感じました。